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便秘外来

はじめに

排便は、毎日なくてはならないものと思っていませんか?
毎日出さなくてはと思って、便意もないのにトイレへ入って、いつまでも息み続ければ、肛門を痛めてしまいます。
排便は行きたくなった時にトイレへ行き、軽く息めば、軟らかな便楽に出て後はスッキリというのが理想です。
極端に言えば、4日に1回でも、1週間でも、出す時に楽に便が出さえすれば、便秘ではないのです。
逆に、毎日便通はあっても、その都度頑張って出さざるを得ず、硬い便が少し出て、後も残便感の残る方は、便秘なのです。
生まれつき便秘の方はおられないでしょう。
度々便意を我慢することを繰り返している内に、次第に便意を感じなくなり、自分で便秘にしてしまう方が実に多いのです。
また、刺激性の下剤を毎日使い続け、次第に効かなくなって増量し、最後は何を使っても出なくなってしまう方が多いのも問題です。

便秘のタイプ

【急に起こるもの】
一過性のもの
食生活(ダイエット、低繊維食、飲水不足)や環境の変化(旅行、転職、ストレス)などが原因で起こる一時的なもので、原因がなくなれば自然に元に戻ります

病気が原因
腸捻転や腸閉塞で腸の流れが詰まり、激しい腹痛嘔吐を伴い、急いで受診が必要です。


【徐々に起こるもの】
腸の働きが低下したため
弛緩性便秘」
結腸の緊張が緩んで、蠕動が弱いために、便を十分に押し出せないため起こり、高齢者、虚弱体質、内臓下垂、病後、多産婦などに起こります。

直腸性便秘」
便意を我慢していると、直腸の神経が鈍くなって、便意を感じなくなり、排便反射が起こらなくなります。
高齢者、全身衰弱、浣腸常習者に起こります。

痙攣性便秘」
大腸の蠕動運動が強すぎて、腸の痙攣を起こし、便の通過が妨げられるものです。
主に精神的なストレスが原因で、便秘と下痢が交互に起こる過敏性腸症候群の1種で、神経質な人に多く、治療が必要です。

病気が原因
大腸がんや大腸ポリープや他の臓器の病気やうつ病が原因のこともあります。
たかが便秘と侮ることなく、検査を受けることが大切です。

あなたの便をチェック

便は、排泄物として嫌われがちですが、身体の中の状態を知らせてくれる大切な情報源です。じっくりと観察して見ましょう。

【便の形】
コロコロ便
腸の中に長時間留まると、水分が余計に吸収されて、大変硬い便となります。
排便も楽に出来ず、息んで出して、肛門を傷つけ勝ちです。

バナナ状
消化、吸収、排泄がスムーズに行われ、便が直腸からスンナリ出てきた証拠で、肛門に優しい理想的な便です。

練り歯磨き状
軟らかいけれども形はある、ドグロを巻いたような太い便は、肛門に優しい健康的な便です。

水様便
水のような下痢便で、お腹を冷やしたり、暴飲暴食や消化不良で起こります。
便の刺激が強く、残便感のため必要以上に息んだり、肛門がタダレたり、傷つけたりしがちです。

【便の太さと長さ】
太くて短い
便秘の人に多く、含まれる水分が60%以下にため、太くて短くなります。
排便時は、強く息まざるを得ず、肛門を傷つけます。
乳幼児では、まだ肛門括約筋の発達が弱く、直腸に溜まった便がそのまま出るため、太くなります。

中くらいの太さ
バナナ状かフランクフルト状で2~3本、含まれる水分が70~80%で、健康的な理想の便です。

細くて長い
軟らかいため、肛門で締め付けられ、細くなりますが、途中で切れることがありません。
やや消化不良気味や水分の摂りすぎで起こります。排便後にスッキリしておれば、問題ありません。

細くて短い
息んでもなかなか出せず、やっと出ても少しだけ、残便感があってスッキリしません。
腸に問題があるかも知れませんから、早めの受診を。

【便の色】
茶色
茶色から茶褐色は健康便です。

灰白色
脂肪の摂りすぎによる消化不良か、バリウムを飲んだ後でなければ、病院受診を。

黒色
血液は出血すると、時間の経過と共に次第に黒味がかってきて、最後には真っ黒になります。食道、胃、十二指腸などの上部消化管からの出血が疑われます。直ぐに病院受診を。

赤色
血液がまだ出血して間もない、大腸や直腸などの下部消化管からの出血が疑われます。
腸の炎症やポリープや憩室炎などの可能性があり、急いで病院受診を。

緑色
もともと胆汁の色で母乳児では珍しくありません。腸内細菌の異常から起こります。
緑色野菜の食べ過ぎが原因のこともあります。

【気になる便】
臭いが強烈
肉類の食べ過ぎ、ニラやニンニクを食べた後、栄養剤の服用でも起こります。

油っぽい便
便の周りに油滴が付いたり、便器内の水面に油が浮くのは、消化吸収不良。

粘液便
腸は粘膜に覆われており、常に粘液は出ております。普段は、また再吸収されて外に出ることはないのですが、腸に軽い炎症を来すと、そのバランスが乱れて外へも出てくるようになるのです。鼻炎を起こすと、鼻水が出てくるのと似ています。

危険な便秘

ストレスが原因で起こる痙攣性便秘は治療が必要ですし、勿論、病気が原因であれば、治療をしなくてはなりません。
ご自分で判断することは難しいですから、先ずは受診して調べて貰うことが大切です。
次のような症状のある人は要注意です。

○小さい頃から便秘が続いている。
○最近、急に便秘するようになった。
○もともと便秘勝ちではあったが、最近特にひどくなった。
○頑固な便秘で、いろいろ努力したが、良くならない。
○便に血液や粘液が混じっている。
○黒ずんだ便や赤っぽい便や灰白色の便が出る。
○形の変形した便が出るようになった。
○便が細くなった。
○強い嘔吐や腹痛を伴う。
○度々トイレへ通うも、残便感が続く。

便秘の原因

1.不規則な食生活
不規則な食生活を送っていると、身体のリズムが乱れてしまうので、当然、腸の働きも悪くなり、便秘を招きます。
特に朝食を抜くと、胃腸反射が機能せず、腸の活動が不十分になり、便意が起こらなくなります。それが続くと、やがて自律神経の働きが鈍って、便秘が慢性化します。

2.便意を見逃す
便意が最も起こりやすい時間帯は、朝食後です。せっかく朝食を摂って便意が起こっても、時間がないからとか、トイレが混んで我慢したりすると、便意は引っ込んでしまいます。
特に女性は、恥ずかしさから便意を我慢してしまうことが多く、便秘になり勝ちです。
何はともあれ、便意が起こったら、必ずトイレへ行く習慣づけが必要です。

3.食物繊維の不足
食物繊維は、人間では消化吸収されないので、そのまま便の材料となり、便の量を増やし、排便をスムーズにしてくれます。
外食やインスタント食品、冷凍食品、ファーストフードなどをよく利用する人は、食物繊維が足りなくなります。また、無理なダイエットや少食の人も便秘になります。

4.水分の不足
便の硬さは、そこに含まれる水分の量で決まります。水分の摂り方が少ないと、当然便は硬くなり、排便も苦痛を伴いますので、ついトイレから足が遠のき、ますます便が硬くなってしまいます。
水分は食物繊維に吸収されて、便の嵩を増し、軟らかくて出しやすい便にしてくれるのです。
水分の摂り方は、食事中はどんなものでも構いませんが、食間では、水に近い薄いものですと、直ぐに小腸で吸収されてしまい、それは小水となってトイレが近くなるだけで、大腸にまで水分が届かないのです。
スポーツ飲料は、身体と濃さが等しくしてありますので、腸で吸収されずに大腸にまで届きます。カロリーオフのもので、カロリー過剰にも気を付けましょう。

5.精神的要因
胃腸は、自律神経に支配されておりますが、その自律神経は非常に精神作用に影響を受けやすい神経です。気持ちがイライラしますと、自律神経の働きが乱れ、腸の働きも狂ってきてしまうのです。その結果、腸の中身が行ったり来たりして、排泄するまでに時間が掛かるため便秘となります。ストレスを溜めない心がけが必要です。

6.運動不足
世の中は非常に便利になり、私達は自分自身で動かなくても、何でもこなせる時代となりました。しかし、人間と言えども動物の端くれです。自分が動くことによって、内臓の働きも促されます。それを怠ると、内臓は動きが鈍くなり、便の移動も遅くなって、便秘となります。
特別な運動をするまでもなく、少しでも多く歩き回る習慣付けをされるだけでも効果があります。

7.女性お年寄りは便秘になりやすい
女性は、排卵して月経が来るまでは卵巣から黄体ホルモンが出ており、それは大腸の蠕動を抑制する作用があるため、周期的に便秘になりやすいのです。
また、女性は筋力が弱くて内臓下垂し、食事量も少なく、ダイエットすればなおさらです。
神経も細やかでストレスを受けやすく、自律神経が乱れやすいこともあるでしょう。
お年寄りも、年をとると食事の量が減り、消化の良いものばかりを食べるため、便の量が減ります。全身の筋力も衰え、神経も鈍くなって、身体を動かすことも減り、大腸の蠕動運動が弱まります。

8.薬の副作用
薬の良い作用が効果を発揮する反面、副作用で便秘になることがあります。
高血圧で神経遮断剤を使ったり、利尿剤で身体の水分を引き出すと便秘に傾きます。
抗うつ剤向精神薬も脳に行く刺激を抑えますので便秘になります。
癌の末期に使うモルヒネ鎮咳剤や腸の鎮痙剤も腸の蠕動を抑制しますので便秘になります。
いずれも便秘を見越して、軟便剤緩下剤を併用することが必要です。

診療の実際

初診
診療時間帯であれば、いつでも来られて構いません。
わざわざ浣腸をしたりしないで、そのままの状態でお越し下さい。
現在、使っておられる薬を持って来られるか、お薬手帳を持参して下さい。
最近の検査成績があれば、併せて持参して下さい。

問診
予め便秘症で来院されたことを申し出て下さい。
一般的な問診票に加えて、便秘症用の問診票にも記入して頂きます。
職員がそれを基に、さらに詳しい質問を致します。

診察
診察室で肛門指診、肛門鏡診、直腸鏡診、腹部診察を致します。

検査
必要に応じて、腹部レントゲン撮影を致します。
大腸の病変が予想される場合は、日を替えて大腸内視鏡検査を行うこともあります。

説明
診察や検査の所見から、考えられる病態を説明します。
問診票から、生活習慣に誤りがあればそれを指摘して、改善法を提案致します。

処置
直腸に便が溜まっている場合は、摘便や浣腸を行います。
もっと奥に便が詰まっている時には、腸洗浄を行って、排便を促します。

投薬
お薬で病態の改善が期待出来れば、しばらくお薬を使ってもらい、その結果を次回の来院時にお知らせ下さい。

 

参考文献 東邦大学医学部教授
酒井義浩先生 監修
「便秘で悩む人に」